“心の寄付を”

0
1619

4.28yasu (9)  【平成24年度 生徒会誌 「陵雲」より】

卒業する三年生にお話をします。

皆さんは本校での高校生活へ大きな希望を持って入学してきたその日からもう三年が過ぎ卒業を迎える日になりました。今、皆の一年生の時と二年生の時と三年生の時の顔写真を見ています。

一年生の写真集と二年生の写真集を見て残念なのは、学校を去って行った仲間がいることです。二年生の写真集から消えた仲間は今どうしているのだろうかと思いながら、「こんなことがあったなー。」と思い出しては涙が出てきます。でも、三年生の写真集を見ると、皆さんは見違えるような大人の顔に成長しています。

今日の日(卒業)を迎えるまでの三年間、楽しいことも、悲しいことも、苦しいことも、いくつもの困難があったことと思います。しかし、それらの困難を避けることなく、諦めることもなく、自分なりに一つ一つ解決して今日を迎えることが出来た皆に「良かったね。おめでとう。」と素直に喜びの言葉をかけてあげたいです。

一年生の時は正直言ってこれからの三年間どうなるのだろうかとても不安でした。二年生の時も色々なことがありました。授業には二人の先生を配置しました。毎朝の巡回時(七時十分頃)の整理整頓が出来ていない教室を見ては心配しました。三年生になって少し落ち着いたのを見て安心はしましたが、教室の乱雑さは直らなかったですね。二学期終業式前日のクラス対抗球技大会では見事優勝し、喜びの感動を体験したのもつかの間、翌日の終業式の皆が帰った後の教室は、今までと変わらないゴミだらけのままでした。でも皆は文化祭、チャレンジ講座等での数々の体験を通して先生方からのきめ細かな愛情をかけた指導により大きく成長したのは事実です。

個人的に大活躍した人もいました。

サッカー部では、ただ一人の三年生部員S君、試合出場を夢見てコツコツ練習していた姿は、「何事にも諦めないで頑張る大切さ」を皆に教えてくれました。

文化部ではバトン部の三人、全員が経験者だった中でたったひとり初心者だったTさん、本校で初めて握ったバトンを三年間手放すことなく頑張り、三年生ではメンバーとして誰にも引けを取らない一員に成長し、大会では立派に大役を果たしました。三人は三年連続東北第一位、三年連続全国大会「銀賞」受賞という素晴らしい実績を残してくれたことに心から「ご苦労さん。ありがとう。」と言いたいです。

美術部のNさんとTさんもイラストグランプリ部門や、ヘアデザインコンテストなどで入賞しました。「学校協力賞」も受賞、明るい話題を提供してくれました。

茶道部のTさんとNさん、落ち着いた手さばきで、内外のお茶席では立派なお点前を披露して「向陵茶道部」の名前を広めてくれました。生徒会長Mさんはじめとする役員の皆も力を合わせて文化祭を成功に導きました。このように良い思い出もたくさんよみがえってきます。今、巣立ちゆく皆さんの前途に幸多からんことを祈念して結びに次のことをお願いします。是非実行して下さい。

卒業した今年一年は、母校に「寄付」をして下さい。「寄付」と言っても「お金や物」ではありません。「心の寄付」です。誰にでも出来る一番簡単で一番ありがたい「心の寄付」です。

皆は、今年は、職場でも、進学した学校でも一番の後輩、新人です。周りの人は全員先輩であり上司であります。ですから礼儀を忘れないで下さい。「おはようございます。」「こんにちは。」「お先に失礼します。」などの挨拶、呼ばれたら「はい。」という大きな声での返事。目の前のゴミを拾い、机を拭く等の身辺の掃除。遅刻・欠勤・欠席等しない日常生活、清潔な身だしなみ、正しい言葉遣い。これらのことを実行して下さい。そうすることによって、周りの先輩たちは、「今年の新人は立派だね。」という印象を持ってくれます。一言、「あなたはどこの高校の卒業生?」と聞かれて、「向陵高校です。」と答えられるようであれば、あなたは素晴らしい「心の寄付」を母校にしたことになります。挨拶一つで「心の寄付」を母校にすることが出来るのです。こんなに素晴らしい寄付はありません。但し、「心の寄付」は卒業したその年一年間の最初の一~二カ月だけのものなのです。それ以降はするのは当たり前、出来たからといって褒めてくれる人はいません。

是非「心の寄付」を母校にして下さい。職場や進学先での活躍と頑張りを祈っています。